認知機能リハビリテーションのすすめ

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認知機能リハビリ

神経認知機能リハビリ「NEAR」を知ろう! 【認知機能リハビリ説明編】

投稿日:2019年7月31日 更新日:

今回は、病院や施設で行われている認知機能をきたえるプログラムがどんなものなのか詳しく説明したいと思います。

これから認知機能リハビリを受けたい、やってみたいとお考えの方は是非ご参考ください。

 

 

目次

 

 

神経認知機能リハビリの対象は?

まず、どんな方が対象となっているのか?

簡単に言うと、精神疾患の主な病状が落ち着いた後もなかなか頭の働きが元の状態に戻らないと感じている方が対象です。

 

 

たとえば、記憶力が落ちた、長続きできない、集中が続かない、処理が遅くなった、頭が動かないなどの状態を感じている方です。

*神経認知機能についてはこちら→認知機能紹介(神経認知)

*認知機能の自己評価はこちら→あなたの認知機能は大丈夫?認知機能を自己評価してみましょう。

 

 

NEARに適している条件は次のとおりです。

最近は、認知機能の低下がどの精神疾患にも伴うことがわかってきました。

 

統合失調症のみでなく、うつ病や躁うつ病、発達障害、認知症(軽度)にも、リハビリによる認知機能の改善が報告されています。

現在、認知機能リハビリをおこなっている施設は、病院、デイケア、就労支援、リワークなどです。

 

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具体的にどんなことするの?

NEARの構成要素は2つ。

パソコンセッションと言語セッションです。

 

 

パソコンセッションでは、ゲームソフトを使い、脳のトレーニングをします。

言語セッションでは、パソコンセッションで取り組んだ課題が実生活や認知機能とどう結びついているかを学習します。

 

 

1クール3~6か月、一回のセッションは45分から90分ほどです。

週2~3回のペースで行います。

 

 

認知機能リハビリに取り組む前に、3か月後、6か月後などのリハビリゴール(目標)を考えましょう。

目標が明確になると、認知機能の改善が抜群によくなります。

 

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パソコンセッションってどんな感じ?

パソコンセッションは、パソコンゲームで認知機能をきたえます。

 

市販されているゲームソフトやインターネットゲームを利用しています。

低下している機能の課題に戦略をもってとりくむことで、認知機能が回復していきます。 うまく働かないなと思う認知機能があるとします。

 

 

しかし、本当はその機能ではない他の認知機能が低下していることが多くあります。

いろいろな認知機能の課題にとりくむことで、治したい機能の回復が実現します。

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次の図をみてください

 

 

上にむかって上位の認知機能になります。

上の認知機能をはたらかせるためには、下にある認知機能をうまく使う必要があります。

 

 

たとえば、遂行機能は、注意機能や記憶機能、処理機能、流暢性などをうまく動かすとよく働きます。

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今度はピラミッドの下の方を見てください。

 

体調や頭のさえ、疲れ具合などがあります。

認知機能をきたえるときは、まず、これらの状態を整えることに気を配っていきましょう。

 

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今度はピラミッドの上の方を見てください。

一番上は、気づきにつながっています。認知機能がきたえられるとメタ認知が促進されます。

メタ認知によってセルフコントロールができるようになると、病気の再発もふせげるようになります。

*メタ認知についてはこちら→一緒に「自分の考え方」を考えてみよう!精神科医が語るメタ認知について

 

 

例えば、記憶機能が低下している場合では?

記憶機能をターゲットにしたゲームソフトには、次のようなものがあります。

高次脳機能バランサー

こども脳機能バランサープラス 

 

 

光るライトの順番を覚えて答えるという記憶機能をターゲットにした簡単なゲームです。

この課題は、注意して見る、ライトが光る間は集中を続ける、ライトが光るスピードについていく、順番を覚える、答えるときに思い出すという機能が必要になってきます。

 

 

記憶を働かせるために、注意機能、処理機能も必要です。

ゲームをランダムに取り組んでいても認知機能が改善するわけではないので、できるだけ多く覚えられるように戦略を立てます。

 

 

たとえば、もう一度イメージを思い出してから答える、色を唱えながら覚える、色を数字におきかえて覚える、場所の順番を覚えるなどです。

スタッフは、これらの戦略をうまく使って課題をこなせるようサポートします。

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1回のセッションでは、このような取り組みを2~3題の課題で行います。

 

 

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言語セッションってどんな感じ?

 言語セッションの目的は、きたえた認知機能をうまく生活の中で生かしていくことです。

 

「コンピューターでトレーニングした認知機能が生活の中ではどのように結びついているか」「うまく働かせるにはどうしたらいいか」などを学習します。

認知機能をうまく働かせるためには、機能の特徴を知ることが大切です。

 

 

例えば、記憶機能をターゲットにしたセッションでは?

記憶機能には、いろいろな種類があります。

生活に必要な記憶機能は、主に作業記憶、エピソード記憶です。

 

 

これらが低下すると、「指示を忘れてしまう」、「読んだり聞いたりしたことを思い出せない」、「気を付けるポイントを忘れがちになり注意を何度も受けるなど」の行動に現れます。

 

 

 

生活と認知機能がつながっていることを実感してもらい、ひとつひとつの認知機能の特徴を知ってもらいます。

 

記憶機能の場合は、記憶の要素が、「覚える」「覚えておく」「思い出す」と3つあること、その要素別の戦略をたてることなどです。

 

学習というと堅苦しく感じますが、身近なものを題材にしながら楽しくわかりやすくプログラムされていますので、自然と身についていきます。

 

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認知機能リハビリをするとこんな効果があります!

 最後に、認知機能リハビリの効果をお伝えします。

認知機能の状態は検査でわかります。

主に病院で行われている検査は、BACS-J、北大式認知機能検査などです。

 

 

ほかにもタブレットで検査できるものもあり、徐々に検査が簡単にできるようになってきました。これらの検査で効果を確認することができます。

 

 

それ以外でも、生活の中で認知機能の回復を実感されている患者さんの声はたくさんあります。ぜひ、リカバリーにつなげていってもらいたいなと思います。

 

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今日のまとめ

・病状が落ち着いた後にも頭の動きが元に戻らないと感じたときは、神経認知機能の低下が原因!

・NEARは神経認知機能リハビリのひとつ

・コンピューターで認知機能をトレーニング

・認知機能についてくわしく言語セッションで学習

・リハビリで認知機能は回復する!

 

 

いかがだったでしょうか。

認知機能リハビリの詳細が伝わり身近にかんじてもらえればうれしいです。

病気になってしまったのは仕方がないけれど、人生をあきらめることはない!認知機能リハビリは患者さんのリカバリーのためにあると思っています。

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