認知機能リハビリテーションのすすめ

よくわかる!すぐにつかえる!精神科医の認知機能解説です!! ※ドメイン変更に伴いエラーが出ている所があります。少しずつ直します。

認知機能

認知症と認知機能低下の違いを精神科医のわたしが説明します。

投稿日:

年々、忘れっぽくなっていませんか?

 

 

昔は、簡単に電話番号ぐらい覚えていたのに

とか

「そんなことあったっけ?

 

 

と思いながら会話を続けることとか。

 

 
私たちの認知機能は、正常に低下します!
今回は、前向きに認知機能の加齢性変化を説明していきたいと思います。

 

先生も認知機能の低下があるんですか?

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質問者

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homareko

誰もが正常に認知機能は低下します。もちろん私もあります!

 

 

認知症と正常な加齢性変化の違い

「いつまでも、健康で長生きしてね」と声をかけられても、心配です。認知症にならないかしら?

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おばあちゃん

こんな気持ちになっている方も多いと思います。

誰もが、普段の生活の中で、昔に比べてむつかしくなっていることがあると心当たりがあります。

たとえば、こんなこと多くなっていませんか?

 

・たくさんのことが処理できない

・一度にいろいろ言われても判断できない

・すぐに反応できなくなっている

・「そうだったっけ?」と思うことがある

・仕事がなかなか覚えられない

・暗算が昔よりできない

・地図がよめなくなってきた

・複雑な関係を考えるのがめんどくさい

 

これらのことは、20代から徐々にみられます。

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メモりん

20代からはじまる正常な認知機能低下ということです。

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メモりん

 

年齢が60代をこえると

 

・ついさっき言われたことをおもいだせない

 

ということが増えます。

短期記憶は、60代まではほとんど下がりません。70代から急速に低下します。

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メモりん

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homareko

これも、正常な認知機能の変化です

 

語彙や知識、一般常識、格言の理解、昔覚えたこと、自分の歴史などは、高齢になっても忘れることはありません。気持ちや感情のコントロールや相手への思いやり、共感性なども年齢であまり変化しません。嫌なことをいわれてもあまり反応しなくなるというのも年の功です。

 

そのほかの年齢による正常な認知機能の変化として

 

集中が前より長く続かない」とか、「すぐに反応してしまう」とか、「注意を配れる範囲がせまくなる」などもそうです。

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チューイ

頑固になる」も実は、正常な認知機能低下のひとつです。

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スイコ王

会話やコミュニケーションの能力はほとんどかわりません。

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りゅう

 

 

それぞれの認知機能の加齢性変化

20代から徐々に低下する主な認知機能        
抑制力⇩
干渉をうけやすい⇩
(ひっかかりやすい)
作業記憶⇩ 処理速度⇩ 問題解決⇩
複雑関係同定⇩
推察力⇩
柔軟性⇩
 
60代より徐々に低下し70代で一気に低下        
  エピソード記憶⇩
短期記憶⇩
遅延再生⇩
  視空間認知⇩  
年齢を重ねても低下しない主な認知機能        
  長期記憶
自伝記憶
    語彙、言語知識
認知症で低下する主な認知機能        
アルツハイマー型認知症        
  エピソード記憶⇩
短期記憶⇩
近時記憶⇩
  順序だて⇩
計画性⇩
視空間認知⇩
進行すると失語
「あれ」「それ」が多くなる
血管性認知症        
干渉をうけやすい⇩
(ひっかかりやすい)
短期記憶⇩
遅延再生⇩
処理速度⇩ 実行機能⇩
推察⇩
 

表にしてみていくと、正常でも年齢とともに認知機能は低下している事が見えてきますね。

 

 

 

でもトレーニングやリハビリ次第で、認知機能の低下を予防することができます。

認知機能は、筋肉と同じように、きたえていけば若返ります。

たとえ、脳に認知症変化がおきたとしても、早めにきたえておいた認知機能で生活をカバーすることができます。

認知症でつらくなる前に、正常に低下していく認知機能をターゲットに、きたえてみてはいかがでしょう。

 

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認知症になる前に

どんなことが、認知機能のトレーニングになるのでしょうか

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質問者

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homareko

トレーニングといっても、あまりかたくるしく考えず、ゲームなどにとりくんでみましょう

 

 

 

トレーニングメニューの3つのポイント

  • 日ごろ使っていない認知機能をきたえる
  • 正常に低下していく認知機能の低下を予防する
  • 認知症で低下しやすい認知機能をきたえておく

 

では、具体的にどんなことがいいのかというと、

おすすめトレーニング

         
         
ストップウオッチを5秒で見ないで止める
インクの色を読んでください
注意機能検査③
暗算をする・計算をする
トランプ(神経衰弱)
しりとり(2度同じ言葉をいわない)
出来事を話してみる
単語を覚えたら、みないで何個言えますか
記憶機能検査②
カラオケ
トランプ(スピード)
ボードゲーム・カードゲーム
料理・片付け・書類整理
計画表をつくる・フローチャートをつくる
地図をよむ
しりとり
山手線ゲーム

※ゲームソフトをつかわないもの

※機能検査に関しての書類は現在整備中です。

認知機能をどんどんきたえ脳を若返らせましょう。認知機能の働きには、「ストレスをためこまない」、「睡眠をよくとる」、「栄養不足にならないこと」も大切であることも忘れないでください。

 

最近は、認知症予防のためのプログラムを病院などでとりくんでいるところもあります。認知機能のトレーニングをとりいれたものです。健康のためにジムに通うような感覚で、利用していってもらえるといいですね。

 

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今日のポイント

・認知機能は正常に低下する

・認知機能はきたえれば、若返る

・筋トレと同じ感覚で認知機能もトレーニングしよう!

 正直、ゲームは苦手な私ですが、認知機能のリハビリに携わるようになって、ずいぶんとゲーム(主にコンピューターソフトを使ったゲーム)をやるようになりました。私の認知機能も若返ってくれ(>_<)

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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