嫌なことがあったり、うまくいかなかったり、大きなミスをしてしまったりしたとき、 あなたはどんな気持ちになりますか?
気分が落ち込んでどうしようもなくなり、楽しいことも思い浮かばなくなります。
なんとか笑顔になろうとおもっても、どうしようもなく悲しくなってしまうことがあります。
そんなときは、うつのループにはまっている可能性があります。
うつのループから抜け出すためにも、自分の考えていることを見つめなおしてみましょう。
今回は、メタ認知トレーニングより「抑うつ」からの脱出をわかりやすく説明してみます。
目次
うつのループができるわけ
気分が落ち込んでどうしようもない時、私たちの脳は独特な方法で情報を処理していると言われています。
そういうときに注目するのは、自分のエラーだけだったり、出来事の中のマイナス面のみだったりします。
この考え方のかたよりがうつのループをつくりあげていくのです。
このうつのループにより落ち込みの症状が重くなり、うつの状態が長い間続いたりしてしまいます。
うつのドツボを知っておこう
うつの状態になると脳のエネルギーが低下、もしくはエネルギーがうまく働かなくなります。
そのような状態がひどくなると認知機能が低下します。
※認知機能リハビリは様々な心の病に応用できます!!【うつ病治療編】
考え方がかたよりやすくなり、うつのループがドツボに導いていくのです。
気分が落ち込むきっかけは何かあったとしても、その気持ちから抜け出せないのはつらいですよね。
ドツボを知っておくと対処策がみえてきます。
homareko
うつの気分がどんどん悪くならないために参考にしてくださいね
では、うつのループに陥ってしまうと、どんなドツボにはまってしまうのか?
大きなふたつのドツボがあります。
うつのループのドツボ例
ドツボ1 メンタルフィルター
ドツボ2 過度の一般化
それぞれの特徴とドツボからの抜け出し方をお話ししたいと思います。
ドツボ1 メンタルフィルター
気分が落ち込んでいると自分のことばかりでなく何に対してもマイナス面ばかり気になってしまいます。
前向きに考えようとしても、すぐにマイナスの力で打ち消されてしまいます。
その結果、現実をありのままに受け止めていない状態になっています。
インクが一滴落ちただけでもグラスの水が濁ってしまうのに似ていますね。
ちょっとしたマイナスが全体をマイナスにしてしまう感じです。
これをメンタルフィルターといいます。
たとえば、このような状況のとき
例 サークルの仲間と外食を企画しています。
ほとんどのメンバーが参加するといってくれましたが、ひとりだけ行かないと言います。
あなたはどう感じますか?
気分が落ち込んでいて、メンタルフィルターがかかると、こんな風に思うかもしれません。
「私の企画が魅力ないんだ」
「ほかの人も本当は行きたくないと思っているに違いない」
「私はみんなから嫌われているんだ」
この考えは正しいでしょうか?
homareko
それならば代わりにどう考えることができるでしょう?
細かな部分をクローズアップしないで、全体を見渡す意識でかんがえてみましょう。
「ほとんどのメンバーが参加するといっているのだから楽しみにしているに違いない。ただ全員が行きたいと思わないだろう。たまたまその日に都合が悪い人だっているはずだ。それに、あの人はいつもたくさんの人がいる場所には来たがらない」
homareko
こう考えた結果はどうなるでしょう
「多分わたしは、行かないと言ったひとにイライラしたんだ」
「だけど、ほかの人はいいねと言ってくれている」
「いい会にできるよう、自分も楽しみながら企画していこう」
役に立つ考え方をするとドツボから少し抜け出せましたね。
ドツボ2 過度の一般化
気分が落ち込んでいると、ひとつ悪いことがあると、「いつも」私には悪いことがおこると思いこみやすくなります。
そして、ずっと終わりなく悪い出来事が続くように感じてしまうのです。
これを過度の一般化といいます。
たとえば、このような状況のとき
例 もしあなたが大切なひとの誕生日を忘れてしまっていたら あなたはどう感じますか?
気分が落ち込んでいて、過度の一般化によってこんな風に思うかもしれません。
「私はいつもこんな調子だ」
「私はいつもダメだ」
この考えは正しいでしょうか?
例えば「いつも」を具体的な言葉におきかえてつぶやいてみましょう
「いつも」→「わたしは、今年、大切な人の誕生日を忘れてしまった。」
homareko
こう考えた結果はどうなるでしょう
「忘れてしまったことはよいことではないけれど、今からでもまだお祝いの気持ちを送ることはできる」
homareko
このように、考えを先に先に進ませる事が出来ますね
ほかの方法も考えてみます。
homareko
では、同じような失敗をした友人に声をかけるとしたら
「忘れてしまうことはだれにでもあるよ」
「怒られてもいいじゃない。今からでもお祝いの気持ちを伝えてあげたら?」
こんな優しい言葉を贈ると思います。
homareko
その友人に向けた言葉を、自分自身にかけてあげましょう。
更にもっと違う視点からミスを考えてみるとどうなりますか?
homareko
次はジョークのきいた言葉を考えてみましょう。
「大切な人の誕生日と思っていたら、日にちを間違えていた。助かった、誕生日は明日だ」
「タイムトラベルがおこって未来にきてしまった。」
これらの様にいつもの自分が思ってしまう事を変えてみましょう。
少しドツボから抜け出せるはずです。
うつのドツボに落ちてしまったら
気分が落ち込むことは誰にもあります。
なかなか立ち直れない時も誰にでもあります。
そんなとき、自分の考え方やすぐれない気分に嫌気がさしたら、今回のドツボの話を思い出してください。
気分が落ち込んでどうしようもない時には、メンタルフィルターや過度の一般化が働いているので要注意です。
これらのドツボにはまった状態では、現実に基づいていない一方的な考えに支配されています。
落ち込んでいるときは、今、自分の考え方がドツボにはまっていないか確認しましょう。
ドツボに落ちてしまっていると気付いたら、役に立つ考え方をしてみましょう。
今日のポイント
- 「いつも」わるいわけではない。「どこでも」わるいわけではない。
- 仲の良い友達が同じような状況にいた時の言葉を自分にかけよう。
- 最悪の状況だけどおもしろおかしく想像してみましょう。
- あなたすべてを批判されているわけではないと思うことにしよう。
- この批判から何を学ぶことができるだろうか?と考えてみよう。
- ほめことばは、贈り物。「ありがとう」ともらってください。
- ネガティブな考え方してしまう自分を責めない。
気分が落ち込んでどうしようもない時ほど、自分が今どんなことを考えているのかを考えるようにしましょう。
これがメタ認知です。
ドツボに気づくことができたら、少しずつ抜け出すことを考えていけるようになります。
homareko
あなたや大切な人の心が晴れますように。
参考 MCT-J net MCT-J+ ユニット9 抑うつと思考 D-MCT